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【不動産売却】売却の目的と方法

  • 2022.07.04
  • カテゴリ: 不動産相続コラム

不動産の売却方法を検討するにあたり、一番大切なことは何を目的として不動産の売却を行うのかを明確にすることです。

例えば
・少し時間を掛けてもいいから高く売りたい
・相続税の納税期限があるので、早めに売りたい(半年以内に売りたいなど)
・高く売れなくてもいいので、現状のままで手間なく、すぐに売りたい
・相続人などの関係者全員が納得する方法で売りたい
・なるべく周りに知られないようにして売りたい

売却の一番の目的を何にするかによって、売却方法は変わってきます。もし最初に売却の目的を明確にしないまま、売却活動をスタートさせてしまうと、売却ができたとしても、本来に求めていた目的が達成できずに、大変な思いや嫌な思いをしてしまうこともあり得るのです。
参考までに、不動産の売却の方法について、いくつかご紹介したいと思います。

よくある一般的な売却方法

レインズに不動産情報を登録して、世の中の不動産会社に対し、一気に広く情報開示し、購入希望者を探します。また不動産を探している一般の方が目にする不動産のポータルサイトや不動産会社独自のホームページなどにも物件情報を積極的に掲載していきます。

【メリット】
・買主が一般個人になるので、周辺相場並みの価格で売れる
・広く情報開示をするので、物件情報が多くの人の目に留まる

【デメリット】
・不動産を売っていることが近所の人や友人・知人にも知られてしまう。
・いつ売れるのかがわからない
・土地の場合は、地中埋設物、中古住宅の場合は引渡し後の建物の不具合などについて一定期間、売主が責任を負わなければいけないことが多い。
・しばらく売れ残ってしまうと、物件のイメージが悪くなる

【こんな人におすすめ】
・一戸建てや区分マンションなど、一般的な戸建て住宅を売りたい方
・住宅街で20坪~50坪ぐらいの、戸建て1棟が建つ土地を売りたい方
・いつまでに売らなくてはいけないという期限がなく、少しでも高く不動産を売りたい方

不動産会社への入札(不動産会社買取)

レインズに不動産情報の登録はせずに、売却したい不動産を直接買い取ってくれる不動産会社(数社)に対して、一定の期日を決め、購入価格と購入希望条件を提示してもらいます。

【メリット】
・実際に不動産が売れる金額がすぐにわかる。
・不動産を換金できる期限が明確になる。
・近所の人や友人・知人に不動産の売却活動をしていることが知られずに済む。
・建物不具合などの引渡し後の売主責任を負わずに済むことが多い。
・売却条件を決めることで、こちらの都合に合わせた取引をすることができる。
・築年数の古いアパートなどの場合でも、入居者がいるまま売却をすることができる。

【デメリット】
・不動産会社の仕入れ価格になるため、周辺相場よりも売却価格が安くなることが多い。
・戸建2戸以上が建つような広い土地の場合は、売主側での確定測量(隣地の人と立会いの上、境界を明確にする作業)が必須となることが多い。

【こんな人におすすめ】
・戸建て2戸以上が建つ広い土地や入居者のいる築年数の古いアパートを売りたい方
・不動産を売ったお金で相続税の納税を検討している方
・不動産を売って、そのお金で遺産分割を検討している方
・できるだけ手間や負担をなく、早く不動産を換金したい方
・不動産の売却活動をしていることを周りに知られたくない方

限定した不動産仲介業者・顧客に対しての販売活動

レインズに不動産情報を登録せず、一般の方が目にする不動産のポータルサイトや不動産会社独自のホームページなどにも一切の情報開示はしません。対象となる不動産周辺の不動産仲介業者や、その周辺で不動産を探している限られた顧客だけに情報を開示し、購入希望者を探していきます。

【メリット】
・買主が一般個人になるので、周辺相場並みの価格で売れる。
・不動産の価値、希少性を高めることができる。
・不動産を売っていることが周りには知られにくい。

【デメリット】
・世の中の多くの人には、不動産情報が届かない。
・いつ売れるのかがわからない。
・土地の場合は、地中埋設物、中古住宅の場合は引渡し後の建物の不具合などについて一定期間、売主が責任を負わなければいけないことが多い。

【こんな人におすすめ】
・ブランドのあるエリアに不動産をお持ちの方
・都心で、最寄り駅が急行停車駅から徒歩10分以内の不動産をお持ちの方

売却方法を組み合わせるやり方もある

ここでは私がよく行っている3つの売却方法をご紹介しましたが、他にも売却方法は考えられます。また上記の方法を組み合わせるやり方もあります。

例えば、まずは不動産会社に対して入札を行うというやり方もあります。不動産が売れる金額のイメージをつかむために、数社に実際の仕入れ価格を聞いてみるのです。そこで満足がいく価格・条件の提示があれば、不動産会社への売却を決めてしまってもいいですし、思っていたよりも条件が良くないようであれば、レインズやインターネットを利用した一般的な売却方法に切り替えるということも可能です。
 
ただし、いくつかの売却方法を組み合わせるやり方には注意とノウハウが必要です。例えば、先にインターネットなどで不動産情報を広く市場に開示してから、なかなか売れないので、不動産会社への入札に切り替えるという場合、不動産会社から良い購入条件が得にくいということがあります。不動産業界では、情報が市場に出る前なら自社だけが知っている情報として価値は高く、「加工の仕方次第では売れる可能性もある」と考えるので、良い購入条件で検討してくれることがよくあります。しかし、いったん世の中に出回った情報、さらにしばらく売れていなかった不動産としてレッテルを貼られてしまうと、やはり市場価値は下がってしまいます。

 こうしたことから、不動産売却では、目的に合わせた戦略の立案と実行力が必要不可欠であることがわかると思います。ですので、不動産の売却を依頼する会社・人を選ぶ際には、こうしたノウハウがあるか、実務の経験値が高いかどうかをしっかりと見極める必要があります。
ポイント
・不動産の売却で一番大切なことは「何を目的として不動産の売却を行うのか」を明確にすること
・目的に応じた売却方法はいくつかあり、それを組み合わせることもできる
・不動産売却では戦略立案がとても重要なため、しっかりしたノウハウを持ち、経験値が高いパートナーを選ぶべき
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