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不動産相続で必要な登記簿謄本の読み方 〜世田谷区の不動産相続をスムーズに進めるために〜

  • 2025.09.03
  • カテゴリ: 不動産相続コラム

不動産を相続するときに必ず必要となるのが「登記簿謄本(登記事項証明書)」です。
世田谷区で相続の相談を受けていると、「登記簿謄本を見ても何が書いてあるのか分からない」「相続の手続きに必要と言われたが、どこを見ればいいのか不明」といった声を多く耳にします。

登記簿謄本は、不動産の「権利関係」を確認するための唯一の公的資料です。相続では、誰が名義人なのか、抵当権や借地権が付いているのか、土地と建物の登記が一致しているのかなどを把握する必要があります。特に世田谷区の不動産は高額であり、登記簿の内容を正しく理解しておかないと、遺産分割や売却で大きなトラブルにつながる可能性があります。

この記事では、世田谷区に不動産をお持ちの方やこれから相続を控えている方に向けて、登記簿謄本の読み方を5つの観点から詳しく解説します。

第1部:登記簿謄本の基本構成を理解する

登記簿謄本は大きく以下の3つの部分で構成されています。

1.表題部
 
土地や建物の物理的な情報が記載されます。所在地、地目、地積、建物なら種類、構造、床面積など。世田谷区の土地であれば「世田谷区○○丁目」といった所在地が明示されます。

2.甲区(所有権に関する事項)
 
現在の所有者、過去の所有者、相続や売買による移転の記録が残ります。相続の場面では「被相続人の名義になっているか」を確認する重要な部分です。

3.乙区(所有権以外の権利に関する事項)
 
抵当権、根抵当権、賃借権、地役権などが記載されます。世田谷区の不動産は住宅ローンや事業用ローンの担保に入っているケースが多いため、必ず確認が必要です。

第2部:世田谷区の相続で登記簿謄本を読むときの注意点

世田谷区の不動産は複雑な事情を抱えていることが少なくありません。

・名義が祖父母のまま
 
過去に相続登記をしておらず、すでに数代前の名義になっているケース。令和6年からの相続登記義務化により、放置は過料対象になります。

・土地と建物の名義が違う
 
土地は父名義、建物は母名義といったケース。相続分割を考える際に大きな障害になります。

・借地権や底地の関係
 
世田谷区は借地権・底地が多く、乙区に借地権が登記されている場合、相続評価や分割が難航します。

・抵当権の抹消忘れ
 
ローン返済済みでも抹消登記をしていないと、登記簿には残り続けます。売却時に手間取るため注意が必要です。

第3部:登記簿謄本の具体的な読み方

1.表題部で物件を確認する
 
所在地・面積・構造を確認し、世田谷区役所の固定資産税課から届いている納税通知書と照合します。

2.甲区で名義を確認する
 
被相続人の名義かどうかをチェック。名義が古い場合、相続登記を複数代にわたって行う必要があります。

3.乙区で権利関係を確認する
 
抵当権、賃借権、地役権などが記載されていれば、相続後の活用や売却に制限が出ます。

4.閉鎖登記簿も確認する
 
過去に分筆や合筆された履歴が閉鎖登記簿に残ることがあります。世田谷区では区画整理や道路拡幅の影響がある地域もあるため要注意です。

第4部:登記簿謄本を取得する方法(世田谷区版)

1.法務局で取得
 
世田谷区を管轄するのは東京法務局世田谷出張所。窓口または郵送で登記事項証明書を取得できます。

2.オンラインで取得
 
登記情報提供サービスを利用すれば、インターネットで閲覧・取得可能。ただし正式な証明書ではないので、相続登記手続きには紙の証明書が必要です。

3.費用
 
登記事項証明書は1通600円程度。相続財産調査の際には土地と建物で複数必要になることが多いです。

第5部:相続登記のためのチェックリスト

・世田谷区にある不動産の登記簿謄本をすべて取得したか

・表題部で所在地・地目・面積を確認したか

・甲区で被相続人が名義人になっていることを確認したか

・乙区で抵当権や借地権の有無を確認したか

・過去の閉鎖登記簿も必要に応じて取得したか

・固定資産税納税通知書と内容を照合したか

・名義が古い場合、司法書士に相談したか

・相続人全員で情報を共有したか
登記簿謄本を正しく読むことが相続成功の第一歩
世田谷区の不動産相続では、登記簿謄本の理解が不可欠です。

・表題部・甲区・乙区を読み解く

・不動産の現況と照らし合わせる

・名義や権利関係を正しく把握する

この基本を押さえることで、相続登記や遺産分割協議をスムーズに進められます。世田谷区は不動産価値が高いため、登記簿の内容ひとつで数千万円単位の違いが生じることも珍しくありません。

「読んでも分からない」と感じたら、迷わず司法書士や専門家に相談してください。正しい理解が、世田谷区における安心・円満な相続の第一歩となります。
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