コラム
自宅を相続させるときに注意するべきこと 〜世田谷区の住宅事情と実務に即した相続のポイント〜
- 2025.06.28
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不動産相続コラム
親から自宅を相続する──。
それは資産の承継であると同時に、家族の思い出や生活の継続という意味合いも含んでいます。
しかし、実際の相続実務では「自宅をどう引き継ぐか」が大きなトラブルの火種になることも。
特に世田谷区のように地価が高く、不動産評価額が相続税に直結するエリアでは、慎重な対策が欠かせません。
この記事では、世田谷区の住宅を相続する際に押さえておきたい「5つの注意点」を紹介します。
【第1部】誰が住み続けるか?家族の同意形成がカギ
■ 二次相続・配偶者の居住問題
・配偶者が住み続ける場合は「配偶者居住権」の活用を検討
・長年住み慣れた家を確保しつつ、課税額を抑える制度
■ 子どもたちの関与と調整
・子どもが複数いる場合、自宅を誰が相続するかで対立が生じやすい
・遺言書・家族会議・専門家の立ち会いなどがトラブル予防に有効
■ 世田谷区のケース
・二世帯住宅や分離型住宅など多様な構造が多いため、名義や利用形態の整理が必要
【第2部】評価額の高さが相続税に影響する
■ 自宅の評価=土地と建物の合算
・路線価で評価される土地部分が世田谷区では特に高額
・建物は築年数により減価されるが、土地は減らない
■ 小規模宅地等の特例の活用
・居住用宅地なら最大80%減額できる特例
・「同居」や「居住継続」など要件を満たす必要あり
・世田谷区では特例適用で数百万円単位の節税になる例も多い
■ 評価明細書と現地調査の重要性
・固定資産税評価額と路線価評価は異なるため要注意
・不整形地や接道条件により補正がかかる可能性も
【第3部】名義変更・登記の実務
■ 相続登記の義務化(2024年4月〜)
・相続人は3年以内に名義変更を行う必要あり
・登記未了の場合、過料のリスク
■ 必要書類と手続き
・被相続人の戸籍、相続人の住民票、評価証明書、遺産分割協議書など
・東京法務局世田谷出張所が管轄
■ 自分でやる?司法書士に頼む?
・書類作成と法務局対応に不安がある場合は専門家に依頼が安心
・世田谷区内の司法書士は地域事情にも詳しくスムーズ
【第4部】売却・貸すという選択肢の検討も
■ 相続税が払えない場合の選択肢
・自宅を売却する「換金相続」も視野に
・譲渡所得税の特例や住み替え支援制度を活用
■ 賃貸として活用する
・一定期間貸すことで収入源にしながら相続税納付資金を確保
・定期借家契約や管理委託でトラブル回避を
■ 世田谷区の不動産市況
・高齢者住宅ニーズの高まり、再建築不可物件の需要、狭小住宅の有効活用など、特有の選択肢あり
【第5部】チェックリスト:自宅相続で確認しておくべき10の項目
□ 相続人全員と自宅の扱いについて話し合っているか
→ 住み続ける・売却・賃貸などの方向性を共有
□ 登記簿で自宅の名義を確認したか
→ 名義人が故人のままになっていないか要確認
□ 固定資産税評価額・路線価を把握しているか
→ 世田谷区は路線価が高いため、税額が大きくなることも
□ 小規模宅地等の特例が使えるか調査済みか
→ 80%減額可能な特例。居住状況などの要件が重要
□ 配偶者が住み続ける場合、配偶者居住権を検討したか
→ 二次相続対策にもつながる制度
□ 遺言書の有無と内容を確認したか
→ 「自宅を誰に引き継ぐか」が明記されているか確認
□ 売却・賃貸など他の活用方法も検討済みか
→ 税金やライフスタイルによって柔軟な選択が必要
□ 相続税の概算シミュレーションを行ったか
→ 世田谷区内の不動産は課税対象になりやすい
□ 相続登記のスケジュールと必要書類を整理したか
→ 2024年4月から登記義務化。3年以内の手続きが必要
□ 専門家(司法書士・税理士・不動産業者)に相談したか
→ 世田谷区に強い専門家を活用すれば、手続きがスムーズ
“住まい”の相続は、家族の未来を左右する
自宅という資産は、単なる不動産ではありません。
家族の記憶と生活の基盤が詰まっているからこそ、相続時には特別な配慮が必要です。
世田谷区のように資産価値が高く、法律・税務の観点でも複雑な地域では、早めの対策が結果的に家族を守ることにつながります。
この記事を参考に、いまからでもできる準備を一つずつ進めてみてください。
将来のトラブルを防ぎ、安心して“家”を引き継ぐための第一歩になります。