コラム
60代・70代がやっておくべき相続準備 〜世田谷区で後悔しない相続のために〜
- 2025.06.30
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不動産相続コラム
世田谷区で長年暮らしてきた60代・70代の方々にとって、相続はまだまだ先の話と思っている方も少なくありません。しかし実際は、相続は「元気なうち」に準備を始めるからこそ、家族に迷惑をかけず、財産を守ることができます。
世田谷区は地価が高く、持ち家や土地といった不動産の評価額が相続税の課税対象になりやすいエリアです。また、家族が離れて暮らすケースも多く、認知症や名義の問題など、相続トラブルの芽が至るところに潜んでいます。
この記事では、世田谷区で相続対策を始めたい60代・70代の方に向けて、今から取り組むべき5つのステップを詳しく解説します。
【第1部】現状把握が第一歩〜財産と相続人を「見える化」する〜
60代・70代で最初にやるべきは、自分の財産と相続人の把握です。特に世田谷区に不動産を所有している場合、土地の評価額が思っている以上に高くなっていることもあります。
■ 財産の棚卸し
・世田谷区内の不動産(土地・建物)
・預貯金、株式、保険
・借入金や保証債務
■ 相続人の確認
・配偶者・子ども
・子どもがいない場合は兄弟姉妹
・認知や養子縁組の有無
相続人関係が複雑な場合は、戸籍を取り寄せて早めに整理しましょう。世田谷区役所や法務局で取得可能です。
【第2部】不動産対策は世田谷区特有のポイントが重要
世田谷区では、「高評価の土地」と「築古住宅」の組み合わせが多く見られます。これにより、資産価値は高いのに現金化しづらい、という問題が起こりやすいのです。
■ 相続税の試算をしておく
・世田谷区の路線価は全国平均より高水準
・不動産の相続評価額が課税額の大部分を占める
■ 小規模宅地等の特例を活用できるか検討
・自宅や事業用不動産に適用できれば評価額80%減も
・配偶者や同居家族との関係性がポイント
■ 将来的な利活用・売却方針の検討
・リフォームして賃貸活用
・相続後に売却予定なら今から不動産会社に相談
世田谷区では空き家のまま放置すると「特定空家」に指定され、固定資産税が6倍になる可能性もあります。
【第3部】遺言書と家族会議で“争続”を防ぐ
相続で揉める理由の多くは、「話し合っていなかった」「遺言がなかった」ことにあります。
■ 遺言書を準備する
・財産の分け方や寄付の意思表示もできる
・世田谷区内の公証役場で「公正証書遺言」も作成可能
・自筆証書遺言は法務局の保管制度を利用すれば安全
■ 家族会議を開く
・財産の全体像を共有する
・介護や同居の役割分担についても話す
・世田谷区の地域包括支援センターなどの助言を活用
一度話せば家族の空気も変わります。話さないリスクの方が大きいのです。
【第4部】認知症になる前にできることをやっておく
判断能力が失われてしまうと、遺言書の作成も贈与もできなくなります。特に、80歳を超えると認知症発症率が急増するため、70代での準備が重要です。
■ 任意後見契約の活用
・判断能力があるうちに、後見人を指定しておける
・世田谷公証役場で公正証書契約が可能
■ 家族信託の検討
・子どもに財産管理を託しつつ、自分も使える仕組み
・不動産や預金の活用に柔軟性がある
■ 医療・介護の意思表示
・延命治療・施設入居・成年後見など
・エンディングノートに記入しておくと家族が安心
【第5部】チェックリスト|世田谷区に住む60代・70代の相続準備10項目
・不動産・預金・保険などの財産目録を作成したか
・法定相続人を確認し、戸籍を取り寄せたか
・世田谷区内不動産の路線価や固定資産評価額を調べたか
・相続税の試算を行い、税理士などに相談したか
・遺言書(自筆 or 公正証書)を作成・保管したか
・家族と相続について話し合い(家族会議)を行ったか
・家族信託や任意後見制度の検討を始めたか
・医療・介護の意思表示(エンディングノートなど)を記録したか
・世田谷区の相続相談窓口や専門家の情報を調べたか
・定期的に相続情報を見直す習慣ができているか
「まだ元気な今こそ」が最善のタイミング
相続準備は「亡くなったときの話」ではなく、「今、家族のためにできること」です。
世田谷区のように不動産資産が多い地域では、何もしないことのリスクが大きくなります。元気なうちにできることはたくさんありますし、早めに動くことで“家族に感謝される相続”へとつながります。
相続は未来のトラブル回避の第一歩。できることから、今すぐ始めてみましょう。