コラム
親から相続した一戸建ての有効活用方法
- 2022.08.01
- カテゴリ:
不動産相続コラム
世田谷区で親から相続した一戸建てを有効活用したい場合について、考えていきましょう。
有効活用方法
◆リフォームや建替えをして、自分自身で住居として利用する
【利用方法例】
・自宅として居住する
・セカンドハウスや事務所、倉庫として利用する
【メリット】
・自分のものとして今後も自由に利用し続けることができる
【デメリット】
・建物が古い場合、多額のリフォーム費用がかかる場合がある
◆大規模なリフォームはせずにクリーニングだけ行い、そのままの状態で賃貸する
【賃貸方法例】
・倉庫や資材置場として、業者等への賃貸する
・アトリエや作業場として、個人(例えば大学生のグループなど)へ賃貸する
・借主にリフォーム工事を負担してもらう形の賃貸をする
【メリット】
・リフォーム工事費用がかからない
・初期投資が少ない中で、建物の有効活用ができる
・期間を決めた短期的な賃貸運用ができる
【デメリット】
・エリアによっては、借主が見つからない場合がある
(繁華街や大学が近くにあるような環境の場合は見つかりやすい)
・賃料は周辺相場よりも低くなる
・あまり長期的な賃料収入は見込めない
◆リフォームを行い、賃貸する
【賃貸方法例】
・キッチン、トイレ、風呂などの水回り関係を含めた設備等のリフォームをして、居住用不動産として賃貸する
・部屋を細かく区切る、共用フロアを充実させるなど大規模リフォームをして、シェアハウスとして賃貸する
【メリット】
・設備関係がリニューアルされるので、長期的な賃貸収入が見込める
・周辺相場に近い賃料、もしくはそれよりも高い賃料を見込める可能性がある
【デメリット】
・初期投資費用がそれなりにかかる
・長期的な賃貸運用計画になる(すぐに他の利用方法に変更することができない)
・投資回収するまで時間がかかる
◆建替えをして、賃貸をする
【賃貸方法例】
・新築戸建てとして賃貸する
(土地が大きい場合は、複数の戸建て賃貸を計画することもできる)
・新築アパート(場所によっては店舗や事務所など)として賃貸する
【メリット】
・建物が新築になるので、長期的な資産運用が見込める
・自分で好きなハウスメーカーや建築士を選んで建物を建築することができる
【デメリット】
・初期投資費用がかなりかかる
・長期的な借り入れの計画が必要になる
・長期的な賃貸運用計画になる(すぐに他の利用方法に変更することができない)
・投資回収するまで多大な時間がかかる
有効活用にかかる費用
【必ず発生するもの】
・建物内にある残置物の撤去費用
・相続登記費用(相続で取得した場合)
・固定資産税、都市計画税
・建物の火災保険料
【賃貸募集をする場合に発生するもの】
・室内のクリーニング費用
・不動産仲介業者への仲介手数料(募集家賃の0.5〜1ヶ月分+消費税)
【その他】
・リフォーム工事費用(リフォームをする場合)
・解体、建替工事費用(建替えをする場合)
・融資関係費用(リフォームや建替えで融資を利用する場合)
・建物の登記費用(建替えをする場合)
有効活用検討の流れ
まずはその一戸建てでどのような有効活用方法が考えられるかを検討する必要があります。一戸建ての建っているエリアや立地の特性、建物の間取り、築年数、現在の建物の状態などによって、最適な有効活用方法は異なりますので、不動産会社に相談することがスタートになります。相談する不動産会社については、一般的な賃貸であれば、地域の不動産賃貸を専門で取り扱っている会社に相談をすれば、周辺の賃料相場やどのぐらいまでリフォーム費用をかけるべきかなどのアドバイスをしてもらえます。
もしシェアハウスやスペース貸し(倉庫、作業場など)などの特殊な賃貸方法や、建替えなどを検討したい場合は、総合的な視点から判断してくれる弊社のような不動産コンサルタントにまずは相談すべきでしょう。
どの有効活用方法を検討するにしても、最初に行うべきことは予算計画と収支シミュレーションです。
実際にその活用をするにあたって、初期投資費用がどのぐらいかかって、どのぐらいの期間で投資回収ができるのか。また毎月手元に残る賃料収入は自分が希望したものになっているのか。ある程度、自分の希望する条件が実現できそうであれば、リフォーム工事に着手する、賃貸募集を開始するなど、具体的に有効活用を進めていく形となります。
一戸建てを有効活用するにあたって用意しておきたい資料、書類など
・一戸建ての有効活用方法を検討するにあたってご用意いただきたいもの
□ 最新年度の固定資産税の課税明細書
□ 建物の建築図面(あれば)
□ 土地の測量図(あれば)
・賃貸借契約締結時にご用意いただきたいもの
□ 認印
□ 建物の鍵
□ 顔写真付き身分証明書(運転免許証やパスポートなど)
ポイント
・一戸建ての最適な活用方法は、一戸建ての建っているエリアや立地の特性、建物の間取り、築年数、現在の建物の状態などによって異なる
・賃貸プランを検討する上では、予算計画や収支シミュレーションがとても重要
・今後、一戸建てをどのように持ち続けていくか(近い将来には解体するのか?長く持ち続けるのか?いずれ売却するのか?)によっても最適な有効活用方法は変わる。