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親から相続した不動産をどうするか?

  • 2022.06.22
  • カテゴリ: 不動産相続コラム

あなたが親から相続した不動産は、親の住んでいた自宅でしょうか?それは戸建てですか?マンションですか?もしくはアパート(賃貸物件)でしょうか?

親に相続が発生すれば、親名義の不動産は新たに引き継ぐ人に名義を移転しなくてはなりません。

誰が自宅を相続するのかはとても重要!

もし親が遺言書を残していたとすれば、その遺言書の中で指定された人が不動産を相続することもできますし、遺言書があったとしても、相続人間で遺産分割協議をすることによって遺言書で指定されている人とは別の人が不動産を相続することができます。

また遺言書がなかった場合には、相続人間で遺産分割協議をした上で、誰が不動産を相続するのかを決めることになります。

親の自宅の相続に関しては、相続する人によって「小規模宅地の特例」が適用になるか否かが変わってくるため、相続税のことを考えると、誰が自宅を相続するのかはとても重要になります。

またアパートなどの賃貸物件の相続の場合は、入居者がいたり、借入金の返済が残っていたり・・・ということもあるので、そのようなことも含めて誰が相続すべきかを検討していく必要があります。

相続財産の3種類の分割方法

◆現物分割・・・個々の財産ごとに所有者を決めて、現物で分割をする方法
◆換価分割・・・不動産等を売却をして、現金で分割をする方法
◆代償分割・・・特定の相続人が他の相続人より多めに財産を取得する代わりに、多く貰った人が自分の固有の財産から、他の人にいくらかを支払う方法

もし親の残した財産が自宅と現金だけ。相続人があなたとあなたの兄弟(複数)だった場合、上記の3パターンのうちのいずれかの分割方法を選択しなければなりません。

例えば、あなたが親の自宅に、親と同居をしていた場合に、自宅をあなたが相続し、現金を他の兄弟に相続してもらう方法が「現物分割」です。

あなたとあなた以外の兄弟は、みんな自宅を持っており、親の自宅にはもう誰も住まないということであれば、親の自宅を売却して現金化し、それをあなたとあなたの兄弟で分けるということもあるでしょう。これが「換価分割」です。

また、親の残した財産が自宅だけで現金がほとんどない状況で、同居していたあなたが親の自宅を相続する場合に、他の兄弟に対してあなたの財産からいくらかを支払う方法が「代償分割」です。

安易に不動産を共有で相続することは避けるべき

もし不動産を換価処分しない場合、不動産を共有で相続するということはあまりお勧めはしません。
なぜなら、不動産を共有名義にしてしまうと、将来、売却をしたり建替えをしたりするなどの重要事項を決定する際に、共有名義者全員の合意が必要となるからです。

相続した時点では、共有者同士の関係性がいいことも多いので、すぐに大きな問題になることはないかもしれません。ただ、時間を経過すればするほど、共有者同士の関係性も大きく変わってきます。もしかしたら何処かで人間関係が悪くなるかもしれません。時間を重ねれば共有者の中には亡くなる人が出てきたり、連絡を取れない人が出てくるかもしれません。亡くなると、全く面識のない人が共有者になる可能性もあります。共有者の一人が認知症や病気で意思判断能力を喪失してしまえば、その不動産はその方が亡くなるまでは、売却も建て替えもできなくなってしまいます。

こうした将来のリスクを考えると、不動産は共有で相続すべきではないと私は思います。私自身、過去に受けてきた不動産トラブルの相談の中でも、不動産の共有問題に関することがとても多いのが実態です。

もちろん、税務的なメリットを考慮して、不動産を共有にする方法もありますので、必ずしも不動産を共有で相続をしてはいけないということではないのですが、こうした将来のリスクも踏まえた上で、税理士などの専門家としっかり打ち合わせをして、親の残した不動産の相続をどうするかを決定していく必要があります。
ポイント
・自宅の相続は「小規模宅地の特例」があるため、誰が相続するかはとても重要
・親の財産の分割方法はおもに「現物分割」「換価分割」「代償分割」の3つの方法がある
・安易に不動産を共有で相続することは将来のトラブルの種になる可能性がある
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