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世田谷区の地価と相続のリスク 〜高額エリアならではの注意点と対策〜

  • 2025.08.11
  • カテゴリ: 不動産相続コラム

世田谷区は東京23区の中でも特に人気が高く、閑静な住宅街や商業エリアが共存する地域です。
田園調布、成城、用賀、三軒茶屋、下北沢など、エリアによって特色が異なり、不動産の資産価値も高い傾向があります。

しかし、この「高い地価」は相続の場面では必ずしも喜ばしいことばかりではありません。
評価額が高い分、相続税の負担も重くなり、納税資金の確保や分割方法で家族間のトラブルにつながることがあります。

本記事では、世田谷区の地価が相続に与えるリスクを5つの視点から解説し、具体的な対策までご紹介します。

【第1部】世田谷区の地価動向と背景

世田谷区は、都心へのアクセスの良さと住環境の良さから長年人気を保っています。
路線価は年々緩やかに上昇しており、2025年時点でも多くのエリアで高値を維持。
例えば、世田谷区の主要エリアの路線価は以下の通りです。

・成城エリア:1㎡あたり60万円前後

・三軒茶屋・下北沢周辺:1㎡あたり70万円〜80万円

・用賀・桜新町:1㎡あたり50万円〜60万円

このような高額な土地は、相続時の課税評価額にも直結します。
固定資産税評価額や相続税評価額(路線価)は市場価格の8割程度と言われますが、それでも数千万円単位の評価になるケースが珍しくありません。

【第2部】地価が高いことで生じる相続リスク

1.相続税負担の増加
 
世田谷区の土地は面積が小さくても評価額が高く、基礎控除を超えやすい。
例えば土地80㎡でも、路線価70万円なら5,600万円の評価になり、他の財産と合わせると相続税の課税対象になる可能性が高い。

2.納税資金の不足

現金や預貯金が少ない場合、不動産を売却して納税資金を確保する必要が出る。
特に世田谷区の自宅を手放す選択は心理的負担が大きい。

3.分割の難しさ

高額な土地を複数人で分けると、評価額の差が大きくなりがちで、代償金が発生。
代償金の支払いが困難だと、売却せざるを得ないケースもある。

4.空き家問題の深刻化

地価が高いエリアでも、相続後に使い道が決まらず空き家になる例が増加。固定資産税や管理負担が重荷になる。

【第3部】世田谷区特有の事例から学ぶ

◆成功事例

世田谷区桜新町のAさんは、自宅土地の評価額が高く相続税の課税対象になる見込みだったため、生前から税理士に相談。
小規模宅地等の特例を活用し、330㎡まで80%減額を適用。結果、相続税は大幅に軽減され、売却せずに自宅を守ることができた。

◆失敗事例

世田谷区三軒茶屋のBさんは、相続発生後に初めて税額を知り、現金が不足していたため急いで土地の一部を売却。
しかし短期間での売却は買い叩かれ、市場価格よりも低く手放すことになった。結果的に資産価値を大きく減らしてしまった。

【第4部】地価リスクを軽減するための対策

1.生前贈与の活用
 
相続税対策として、暦年贈与や相続時精算課税制度を利用し、早めに資産を移転する。

2.小規模宅地等の特例の事前確認
 
同居条件や面積制限を満たすか事前に確認し、適用できるように生活スタイルを整える。

3.土地の一部売却・分筆
 
相続前に一部を売却して現金化することで、納税資金を確保。分筆すれば売却や分割も柔軟に対応可能。

4.不動産の収益化
 
アパート建設や駐車場運営などで土地を収益化し、その収益で将来の相続税に備える。

【第5部】相続前に確認したいチェックリスト

・世田谷区の所有地の最新路線価を把握しているか

・固定資産税評価額と相続税評価額を確認しているか

・小規模宅地等の特例が適用可能かシミュレーションしたか

・相続税の概算額を試算したか

・納税資金の準備方法(現金・売却・融資)を検討したか

・相続人全員と財産の分け方について事前に話し合っているか

・生前贈与や遺言の作成を検討しているか
早めの対策が資産を守る
世田谷区の高い地価は、資産価値の面では大きな魅力ですが、相続においては課税額の増加や分割の難しさといったリスクを伴います。
特に現金資産が少ない場合、納税資金の確保が最大の課題となります。

だからこそ、世田谷区の土地を持つ方は「相続が始まる前」に評価額の把握・税額の試算・納税資金の準備を行うことが重要です。
早めの対策があれば、資産を守り、家族の争いを防ぎ、安心して次世代に財産を引き継ぐことができます。
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