コラム
不動産相続後の管理はどうする?現地調査のポイント 〜世田谷区の相続不動産を放置しないための第一歩〜
- 2025.06.03
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不動産相続コラム
親が亡くなり、相続によって不動産を引き継いだ──。
しかし、いざその土地や建物を所有することになっても、
「何から始めればいいのかわからない」という声が多く聞かれます。
特に世田谷区のように地価が高く、物件の形状や築年数も多様な地域では、
相続後の管理次第で、その不動産の価値や利活用の可能性が大きく左右されます。
この記事では、相続後すぐに行うべき「現地調査」にフォーカスし、
世田谷区の不動産管理における5つのポイントを解説します。
【第1部】なぜ現地調査が必要なのか?世田谷区特有の事情も
■ 放置によるリスクが高まっている
・空き家の老朽化
・不審者の侵入や不法投棄
・倒壊・火災・近隣トラブル
世田谷区でも、住宅密集地での空き家放置が問題化しており、
「特定空家」に指定されると固定資産税の軽減措置が外れるリスクもあります。
■ 地域特性による差異が大きい
・成城や奥沢など邸宅エリアは敷地が広く、植栽管理が重要
・三軒茶屋・下北沢エリアは路地裏や狭小地の管理が課題
管理状態によっては、地域住民や行政からの指摘を受けることも。
現地調査は、その第一段階です。
【第2部】現地調査でチェックすべき7つの基本ポイント
1. 建物の外観・構造
外壁のひび割れ、雨漏り、屋根の崩れなど
2. 敷地の植栽・雑草
越境していないか?害虫・火災リスクがないか?
3. 境界線の確認
ブロック塀・フェンス・境界標の有無
隣地との越境・接道状況(私道か公道か)
4. ゴミ・不法投棄の有無
空き缶、家庭ゴミなどの放置
防犯上の問題や景観悪化
5. 建物内部(可能であれば)
床や壁の腐食、カビ、動物の侵入
6. 水道・電気・ガスなどのライフライン
停止・漏水・ガス漏れなどの確認
7. 郵便物の確認
郵便受けに放置されたままの書類があれば要注意
これらのチェックは、物件の将来的な利用・売却・賃貸においても重要な判断材料となります。
【第3部】調査は誰がする?世田谷区で頼れるサポートとは
■ 自分で行く場合
・地図・登記簿謄本・チェックリストを準備
・写真を撮影して記録化
・忘れずに近隣住民への挨拶を
■ 専門家に依頼する場合
・不動産会社、司法書士、土地家屋調査士に依頼可能
・現地調査+固定資産評価額の確認+管理アドバイスまで一括で行える事業者も
■ 世田谷区のサポート制度
・空き家対策課が管理相談窓口を設置
・地域包括支援センターやまちづくりセンターでも不定期に相談会実施
【第4部】現地調査のあとはどうする?管理の選択肢を整理
【1】自分で定期的に管理する
・月1回の見回り、草刈り、ポスト確認など
・スケジュール化と家族との分担がカギ
【2】管理代行を依頼する
・地元の不動産管理会社に委託(月1〜2万円程度)
・賃貸募集や売却相談も並行して対応してくれる場合あり
【3】活用・売却を検討する
・リフォームして貸す、建替えて売るなどの活用方針へ
・世田谷区では築古住宅のリノベーション需要も高い
【第5部】現地調査のチェックリスト(保存用)
・建物の外壁や屋根に目立つ破損がないか
・敷地内に雑草や不要な植栽が繁茂していないか
・ゴミや不法投棄物がないか
・境界線が明確か、越境はないか
・建物内の劣化や汚損、害虫・動物の侵入がないか
・水道・電気・ガスの設備状態に問題はないか
・郵便物が溜まっていないか、投函状況は正常か
・周囲の環境に変化はないか(新築工事・道路工事など)
・近隣住民からの意見や苦情の有無
"見に行く"ことが、すべての始まり
相続した不動産は、“資産”であると同時に“責任”でもあります。
世田谷区という人口密度が高く、不動産価値が高い地域では、
管理の手抜きが近隣トラブルや資産価値の毀損につながるリスクが高まります。
まずは一度、現地に足を運んで状態を確認する。
それが、相続不動産を「守る」「活かす」ための第一歩です。
そして、不安や疑問がある場合は、信頼できる専門家に早めに相談を。
それが、将来のトラブル回避と、安心できる相続管理への近道です。