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【第1回】「贈与」か「相続」か。世田谷の資産を賢く守るための生前移転戦略

  • 2026.05.04
  • カテゴリ: 不動産相続コラム

「うちはまだ先のことだから」……世田谷区に一戸建てやマンションを所有している方々からよく聞かれる言葉です。しかし、2024年の相続登記義務化や、近年の路線価上昇、さらには2024年度から本格導入された「相続前贈与の加算期間延長(3年から7年へ)」など、税制の包囲網は着実に狭まっています。

成城、代沢、深沢といった高級住宅街、あるいは二子玉川や三軒茶屋といった再開発で価値が爆騰したエリア。こうした場所に不動産を持つ場合、「亡くなってから考える」のでは、取れる選択肢が極端に少なくなってしまいます。

本稿では、世田谷の土地を「生前に贈与すべきか」「相続まで待つべきか」という究極の選択について、2026年現在の最新税制と世田谷のマーケット動向を交えて徹底解説します。

【第1部】「暦年贈与」のルール変更と世田谷相続への影響

多くの人が活用してきた「年間110万円の非課税枠」を使った暦年贈与。しかし、世田谷の不動産オーナーにとって、このルール変更は死活問題です。

1-1. 7年前までの贈与が「持ち戻し」に

これまでは亡くなる前3年以内の贈与が相続財産に加算されていましたが、改正により「7年」まで遡ることになりました。成城や等々力で広い土地を持つ親世代が「そろそろ対策を」と考え始めた時には、すでに時間が足りないというリスクがあります。

1-2. 世田谷の土地を「110万円」で贈与する現実味

世田谷の土地は平米単価が高いため、持分(持ち分)を110万円分ずつ贈与しようとしても、ほんの数パーセントしか移転できません。等々力や奥沢の土地でこれをやると、登記費用ばかりがかさみ、節税効果が薄れることも。世田谷においては「現金贈与」と「不動産相続」をどう組み合わせるかのバランス感覚が問われます。

【第2部】「相続時精算課税制度」の活用:世田谷の将来価値に賭ける

2024年の改正で、実は使い勝手が劇的に向上したのが「相続時精算課税制度」です。

2-1. 2,500万円の特別控除と「110万円」の基礎控除

この制度を選んでも、年間110万円までは申告不要で非課税となる「基礎控除」が新設されました。二子玉川や下北沢のように「将来さらに地価が上がる」と予想されるエリアであれば、今のうちにこの制度を使って不動産の名義を子に移しておく戦略が有効です。

2-2. 「値上がり益」を相続税から外す

精算課税制度の最大のメリットは「贈与時の時価」で相続税が計算されることです。例えば、経堂や千歳烏山周辺の再開発予定エリアの土地を、価格が上がる前に贈与しておけば、将来1.5倍に値上がりしても、税金は「贈与時の低い価格」で済みます。これは世田谷のような成長余力のある街ならではの勝ちパターンです。

【第3部】「おしどり贈与」の是非:世田谷の自宅を妻に贈るべきか

「贈与税の配偶者控除」、通称おしどり贈与。婚姻期間20年以上の夫婦なら、居住用不動産など2,000万円分まで非課税で贈与できる制度です。

3-1. 桜新町・用賀の「一戸建て」での活用例

桜新町や用賀といったエリアで、夫名義の自宅を妻と共有名義にする。これにより、将来の相続時に妻の持分が最初から相続財産に含まれないため、節税になります。また、売却時の「3,000万円特別控除」が夫婦それぞれで使える(最大6,000万円)という大きなメリットがあります。

3-2. 「小規模宅地等の特例」との競合に注意

ただし、世田谷の土地は評価額が高いため、安易に生前贈与してしまうと、相続時の最強武器である「小規模宅地等の特例(80%減額)」が使えなくなるという落とし穴があります。松原や赤堤周辺の住宅地では、どちらが有利かシビアなシミュレーションが必要です。

【第4部】「一括贈与」終了後の新常識:世田谷流・教育資金の渡し方

4-1. 2026年3月で終了した「1,500万円一括贈与」

長年、祖父母から孫への資産移転の定番だった「教育資金の一括贈与」。残念ながら、この特例は2026年3月末で期限を迎え、現在は新規に利用することができません。「あてにしていたのに!」という成城や経堂の親御さんも多いはず。
しかし、ここで知っておくべきは、「一括贈与という“箱”がなくなっただけで、教育費を出すこと自体は今でも非課税」だという事実です。

4-2. 最強の代替策「都度払い(つどばらい)」の活用

実は、贈与税のルール(相続税法第21条の3)には元々、「教育費や生活費として、必要な時に、必要な分だけ直接支払う場合は非課税」という原則があります。

孫の私立小学校の入学金・授業料を、おじいちゃんが学校に直接振り込む

留学費用や塾の月謝を、その都度おばあちゃんが支払う
これらは、たとえ年間110万円を超えても、昔も今も、そしてこれからも全額非課税です。

4-3. なぜ世田谷では「都度払い」が有利なのか

一括贈与制度は便利でしたが、「使いきれなかった残額に課税される」「銀行への領収書提出が面倒」というデメリットもありました。
成城学園や駒沢周辺の私立校、二子玉川の塾銀座に通わせる世帯なら、あえて一括で預けなくても、学費のタイミングに合わせて支援を受ける方が、資金を柔軟に管理できます。また、贈与者の手元に資金を残しておくことで、自身の介護費用などに備えつつ、必要な時だけ孫を応援できる「世田谷らしいスマートな支援」と言えるでしょう。

【第5部】生前贈与の落とし穴:世田谷の「高い評価額」を甘く見ない

世田谷の不動産を贈与する場合、最も注意すべきは「贈与税の税率の高さ」です。

5-1. 相続税よりも高い「贈与税」の恐怖

相続税の最高税率は55%ですが、基礎控除が大きいため実効税率は低くなりがちです。一方、贈与税は基礎控除が110万円しかなく、少し大きな贈与をするとあっという間に高い税率が適用されます。
尾山台や上野毛の土地を「良かれと思って」丸ごと贈与したら、翌年に数千万の贈与税請求が来た……という笑えない話が実際にあります。

5-2. 専門家の「ダブルチェック」は必須

世田谷税務署(用賀)や玉川税務署(等々力)の管轄エリアでは、土地評価が非常に厳密です。生前贈与を検討するなら、必ず「世田谷の土地評価に慣れた税理士」に、贈与税と相続税のトータルバランスを計算してもらう必要があります。
「早く動く」ことが最大の節税になる理由
第1回では、世田谷の資産を生前に移転するための「贈与」の基本戦略を解説しました。

世田谷区の不動産は、その価値の高さゆえに「何もしないこと」が最大のリスクになります。暦年贈与の持ち戻し期間が7年に延びた今、対策は1日でも早く始めるべきです。

成城の邸宅を守るために孫へ教育資金を贈るのか、三軒茶屋のビルを精算課税で引き継ぐのか。大切なのは、あなたの家庭にとって「一番幸せな資産の移し方」を、親が元気なうちに家族会議で決めることです。

次回、第2回は「世田谷で成功する『賃貸経営・不動産活用』による相続対策」。
空き地や古いアパートをどう再生し、評価額を下げるか。その具体的な手法を公開します。
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