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豪徳寺の「基礎めり込み実家」。隣の家が崩壊する絶望トラップを、無課税の『等価交換ハック』で突破し7,200万円で売り抜けた神業測量劇

  • 2026.06.30
  • カテゴリ: 不動産相続コラム

今回の主人公は、世田谷区出身で現在は神奈川県に住むBさん(50代)。半年前に、小田急線「豪徳寺駅」と世田谷線「宮の坂駅」の2路線が使える最高の立地にある実家(敷地35坪、築50年の木造)を相続しました。

「この立地なら、更地にすれば大手ハウスメーカーがすぐに買い手を見つけてくれる」
そう考えたBさんは、売却の前提となる「確定測量」を土地家屋調査士に依頼しました。しかし数日後、青ざめた顔の測量士から緊急の呼び出しを受けます。

「Bさん、最悪の事実が発覚しました。お隣の家の外壁だけではなく、『コンクリートの基礎(土台)』そのものが、こちらの敷地境界線を越えて50センチも完全にめり込んで建っています。
おそらく50年前、お互いの親同士が口約束で『少しはみ出してもいいよ』とドンブリ勘定で建ててしまったのでしょう。このままでは、Bさんの土地を買った人が新しい家を建てるために地面を掘ると、お隣の家が基礎ごと崩落します。 銀行も絶対に融資を下ろさないため、現在の市場価値は『ゼロ(売却不可)』です」

Bさんは慌ててお隣の70代の老夫婦を訪ねました。しかし、老夫婦も「そんなこと言われても、年金暮らしで家を建て直すお金なんて1円もない。家を削れというなら首を括るしかない」と泣き崩れる始末。
裁判を起こして「基礎を撤去しろ(家を壊せ)」と勝訴したところで、相手にお金がなければ強制執行もできず、ただ弁護士費用と時間が無駄になるだけ。Bさんは完全に「詰み」の状態に陥りました。

世田谷の地中深くに眠る「越境」という呪い

豪徳寺や宮の坂に限らず、世田谷区の古くからの住宅街では、こうした「建物の越境」が日常茶飯事です。

1-1. 「枝」は切れても「基礎」は切れない

前回の枝の越境であれば、新民法で「勝手に切る」ことが可能でした。しかし、「建物の基礎」は別格です。他人の家の土台を勝手にチェーンソーで切れば、家が倒壊し、刑法の「建造物損壊罪」や、最悪の場合は住人を死傷させる犯罪になります。法律上、絶対に手が出せない絶対不可侵の領域なのです。

1-2. 「現状有姿(そのままで売る)」の罠

「じゃあ、この越境の事実を正直に書いて、安くてもいいからそのまま買ってくれる業者を探そう」と妥協する人もいます。しかし、これをやると、業者は「基礎撤去の訴訟リスク」や「擁壁工事の追加コスト」を理由に、相場7,000万円の土地を「3,000万円なら買いますよ」と、半値以下で容赦なく買い叩いてきます。

逆転の切札:相手を壊さず価値を取り戻す「等価交換戦略」

「相手に家を壊すお金がないなら、もう半値で業者に売るしかないのか…」

絶望するBさんに、密集地の権利調整を専門とするコンサルタントが提示したのが、「物理的な破壊(解体)を一切諦め、法律上の『境界線』の方をパズルように曲げて解決する」という魔法のようなスキームでした。

2-1. 土地の面積を「交換」するパズル

コンサルタントはお隣の老夫婦にこう提案しました。

「お隣さん、安心してください。お宅を削れとは言いませんし、お金も1円も請求しません。
その代わり、お宅の基礎がはみ出している『50センチ幅の土地(約2坪)』を、Bさんからお宅へタダであげます。
その代わり、お宅の裏庭にある、何も建っていない『空き地の2坪』を、Bさんにタダでください。 お互いの土地を同じ面積だけ『交換』して、境界線を引き直すのです」

これがお家芸「等価交換(境界確定による土地の交換)」です。
お隣からすれば、タダで自分の家が「違法建築(越境状態)」から「合法建築」に変わり、将来の不安が完全に消え去ります。Bさんからしても、面積は35坪のまま一切減らず、ただ「土地の形が少し凸凹に変わるだけ」で、完全なクリーン物件(融資OKの土地)に生まれ変わるのです。

2-2. 「固定資産の交換の特例」で無課税に

通常、土地を他人にあげたり貰ったりすると「譲渡所得税」や「贈与税」という莫大な税金がかかります。
しかし、このスキームでは「固定資産の交換の特例(所得税法第58条)」を適用させます。「同じ種類の資産(土地と土地)を、同じ用途で、互いに交換した場合は、税金を1円もかけずに(無かったこととして)名義を変えて良い」という国の特例制度です。

これにより、Bさんもお隣も、税金の持ち出し「ゼロ円」で、この泥沼の境界トラブルを書類上だけで完全にクリアにすることが可能になったのです。

実録!「空中等価交換」からの一発満額売却

コンサルタントの指揮のもと、専属の土地家屋調査士が入り、お隣の基礎を避けるように「クランク状(凸凹)」に新しい境界線を引き直し、法務局へ「土地の分筆・交換・合筆」の登記を猛スピードで完了させました。

お隣の老夫婦は「Bさん、本当にありがとう。夜も眠れなかったのに、これで安心して老後が過ごせます」と涙を流して感謝し、快く実印を押してくれました。

越境がなくなり、100%クリーンな「面積35坪」の土地として生まれ変わった豪徳寺の土地。

これを、城南エリアの高級建売デベロッパー限定のクローズドオークションにかけた結果、2路線の駅近という圧倒的なポテンシャルが評価され、相場の満額である総額7,200万円(現状渡し)での一発買取が決定したのです。

手残り現金のリアルな数式

ここでも、2024年改正の「買主(デベロッパー)が引き渡し後に解体してくれれば特例が使える」ルールを適用し、解体費用の持ち出しゼロで「空き家の3,000万円特別控除」をフル発動させました。

・売却価格:7,200万円
・土地家屋調査士・登記費用(等価交換コスト):約120万円
・仲介手数料等の譲渡費用:約243万円
・概算取得費(5%):360万円
・空き家特別控除:3,000万円

課税譲渡所得 = 7,200万 - 120万 - 243万 - 360万 - 3,000万 = 3,477万円

譲渡所得税(約20%) = 3,477万 × 20% = 695万円

最終手残り = 7,200万 - 120万 - 243万 - 695万 = 6,142万円

「家を壊せない、価値は半値以下」と宣告された絶望の土地が、測量士のペン先一つと税務のハックによって、たったの120万円の測量・登記コストで「6,100万円以上の純現金」へと大化けしました。隣人との関係も良好なまま、誰も傷つかずに一族の資産を奪還した完璧な着地です。

実家に「建物の越境(めり込み)」を発見した時の3大鉄則

もしあなたの一族が、世田谷の古い住宅街で、お隣の家や基礎がこちらの土地にめり込んでいるのを発見したなら、明日からこのステップを死守してください。

5-1. 絶対に「家を削れ」「撤去しろ」と要求しない

自分の土地にめり込んでいるのを見ると、誰でも怒りたくなるものです。しかし、相手に「家を壊せ」と正論をぶつけるのは、相手を窮鼠(きゅうそ)にして泥沼の裁判を引き起こすだけの最悪の悪手です。最初から「どうやって相手にお金を使わせずに、書類上で解決するか」のスタンスで臨んでください。

5-2. 売却前に「確定測量」をケチらない

「測量代(数十万円)がもったいないから、公図(古い図面)のままで売ろう」とする相続人がいますが、これこそが買いたたかれる最大の原因です。事前に「土地家屋調査士」を入れてミリ単位で越境をあぶり出し、「等価交換」や「越境の覚書(将来建て替える時は引っ込めるという約束)」をプロの手で結んでおくことが、数千万円の価値を守る防波堤になります。

5-3. 「等価交換」と「税務特例」のダブルライセンスを持つプロを選ぶ

土地の境界を曲げる「等価交換」は、測量士(土地家屋調査士)の技術と、税金がかからないようにする税理士の「固定資産の交換特例」の知識が完全に連動していなければ成功しません。ただの町の不動産屋ではなく、測量士と税理士をワンストップで束ねてプロジェクトを指揮できる「密集地法務の専門コンサルタント」を相棒に選んでください。
物理的な絶望は、法的な「パズル」で鮮やかに解き明かせ
豪徳寺・宮の坂に眠っていた実家は、お隣の基礎がめり込んでいるという物理的な呪いのせいで、一時は「解体不能・売却不能の負動産」に成り下がっていました。

しかし、2026年現在の高度な不動産法務においては、「コンクリートを壊せないなら、目に見えない境界線の方を曲げてしまえばいい」という、極めてロジカルかつ平和的な解決策が用意されています。

ご近所の越境トラブルに怒り狂って時間を浪費し、特定空家のペナルティや相続税の期限に怯える必要はまったくありません。

相手を追い詰めるのではなく、相手を救済しながら自分の利益を最大化する「等価交換のパズル」。
世田谷区という圧倒的な土地価値があるからこそ、この高度なパズルを組み上げる費用対効果は絶大です。正しい知識と知恵をもって、あなたの大切な実家を、トラブルの泥沼から一気に「最強の流動資産」へと引き上げてください!
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