コラム
親が認知症で実家が「凍結」!千歳船橋の空き家を、家族信託の手遅れから救った「裁判所公認」の売却劇
- 2026.06.20
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不動産相続コラム
今回の主人公は、世田谷区出身の会社員Sさん(50代)。2年前、千歳船橋駅から徒歩12分の住宅街(船橋3丁目周辺)にある実家で一人暮らしをしていた80代の母親が認知症を発症し、特別養護老人ホームへ入所することになりました。
母が去った実家(敷地45坪、築45年の戸建て)は完全に空き家となり、誰も住んでいないのに固定資産税や庭の植木手入れ代だけがかさむ状態に。さらに、母親の施設費用や医療費で毎月約30万円のキャッシュアウトが発生していました。
「実家を売却するか、リノベして賃貸に出して、そのお金を母の施設費用に充てよう」
そう考えたSさんが不動産会社や銀行に相談した瞬間、冷酷な現実を突きつけられます。
「お母様はご自身の意思で売買契約や賃貸契約の判子を押せますか? 認知症で意思能力がないとみなされる場合、実家の売却も賃貸契約もすべて法律上『無効』になります。いわゆる『資産凍結』です」
事前の「家族信託」や「任意後見」の契約をしておらず、完全に手遅れとなったSさん。毎月の仕送りと実家の維持費で自身の貯金が底を突く寸前まで追い詰められたところから、この逆転劇は始まりました。
「成年後見人を立てると実家は売れない」という絶望的な誤解
ネットや本を調べると、どこにも「親が認知症になったら成年後見制度を使うしかないが、後見人を立てても家庭裁判所は実家の売却を簡単には許してくれない」と書かれています。
1-1. なぜ裁判所は実家の売却を拒むのか?
成年後見制度は、あくまで「認知症になった本人の財産を守るための制度」です。親族が楽になるためや、子供が遺産を早く現金化するための売却は、裁判所(東京家庭裁判所など)によって100%却下されます。特に親が昔から住んでいた実家は「居住用不動産」に該当するため、売却には裁判所の「居住用不動産の処分許可」という極めて高いハードルが必要になるのです。
1-2. 専門職後見人(弁護士・司法書士)による「毎月の報酬」の重荷
さらに、後見人に親族ではなく弁護士などの専門家が選ばれた場合、親の財産額に応じて毎月2万〜6万円の報酬が、親の口座から亡くなるまで永久に引き落とされ続けます。Sさんは「実家も売れず、毎月の費用だけがさらに増えるのではないか」と恐怖しました。
逆転のロジック:裁判所を納得させる「必要不可欠性」の証明
Sさんの後見人となった司法書士は、それでも諦めませんでした。
「『子供が困っているから』ではなく、『お母様本人の今後の人生を守るために、実家を現金化することが絶対に不可欠である』というロジカルな証拠を裁判所に提出すれば、処分許可は必ず降ります」
Sさんと司法書士は、以下の3つの「客観的事実」を集め、家庭裁判所に申し立てを行いました。
・「医師の診断書」による帰宅不能の証明
母親の認知症の進行度と身体状況から、「今後、実家に戻って在宅介護を受けられる可能性はゼロである(施設での終身入所が確定している)」という医師の意見書を提出。
・「実家の維持困難性」の証明
空き家となった実家の屋根の破損写真や、近隣からの苦情の督促状を提出し、「放置することが本人の財産価値を損ね、かつ周囲に危険を及ぼす」ことを立証。
・「現金の枯渇」を証明する数式シミュレーションの提出
実録!裁判所を動かした「資産寿命」の収支シミュレーション
Sさんが実際に裁判所に提出した、母親の「資産寿命」に関するリアルな計算がこちらです。
母親の現在の預貯金はわずか300万円。施設費用と実家の維持費を合わせた毎月の支出に対し、母親の年金だけでは圧倒的に足りないことを明確に数値化しました。
現金の年間減少額 = (月額施設費等 30万円 - 月額年金 12万円) × 12 + 実家の年間維持費(税等) 34万円 = 250万円
現在の預貯金寿命 = 母親の預貯金 300万円 / 年間減少額250万円 = 1.2年
つまり、「あと1年ちょっとで母親自身の全財産が底を突き、本人の施設費用が払えなくなる(本人の生存の危機)」という動かぬ証拠を突きつけたのです。
このロジックの前に、東京家庭裁判所は申し立てからわずか2ヶ月で「居住用不動産の処分許可」を決定しました。
千歳船橋の土地柄を活かした「9,500万円」のスピード売却
許可さえ降りれば、千歳船橋・船橋エリアの土地は実需層(ファミリー層)にとって大好物です。
4-1. ハウスメーカーへの「現状渡し」による高値売却
船橋3丁目の閑静な住宅街、区画も綺麗な45坪。後見人(このケースではSさん自身が後見人に選ばれました)の主導のもと、大手ハウスメーカーの顧客に対してクローズドに売却活動を展開。結果、解体費用を買い手側が負担する「現状渡し」の条件で、9,500万円での満額売却に成功しました。
4-2. 売却代金は「母親の専用口座」で完全防衛
売却によって得られた9,500万円は、当然子供であるSさんの口座には入れられず、「成年後見人・母〇〇口」という家庭裁判所の監督下にある専用口座に全額入金されます。
これにより、母親の資産 lifespan(寿命)は一気に引き延ばされ、今後30年生きてもお釣りがくるほどの盤石な介護資金が確保されました。Sさんの毎月の持ち出し(仕送り)も完全ゼロになり、精神的な平穏を取り戻したのです。
実家が「認知症で凍結」するのを防ぐ・破る3ステップ
もしあなたの親御様が70代〜80代で、実家がまだ親名義であるなら、明日から以下のステップを死守してください。
5-1. Step1:親の意識がしっかりしているうちに「家族信託」を組む
親が元気なうち(会話がロジカルに成り立つうち)であれば、数万円〜数十万円の初期費用で「家族信託」の契約を結ぶことができます。これをしておけば、将来親が認知症になっても、子供の判断だけで実家を売ることも貸すことも自由自在になります。これが最強の予防策です。
5-2. Step2:すでに認知症が始まっているなら、安易に判子を押させない
「まだ少し喋れるから」と、認知症の親を不動産屋の前に連れて行き、無理やり売買契約書の判子を押させる行為は絶対にNGです。後から他の親族や買主のコンプライアンス部門に発覚した場合、契約解除だけでなく詐欺罪に問われるリスクがあります。
5-3. Step3:凍結した場合は「本人のため」の収支実績を最速で作る
もし凍結してしまったら、親の年金通帳と施設の領収書をすべて集め、「あと何ヶ月で本人の現金が枯渇するか」の収支表を作ってください。そして、成年後見と居住用不動産処分許可の「同時申し立て」の実績が豊富な、司法書士や弁護士をパートナーに指名してください。
法律の壁は、親への「愛とロジック」で突破できる
親が認知症になり、実家が「凍結空き家」になってしまうことは、現代の日本において誰にでも起こりうる最大の悲劇です。
しかし、「手遅れだから」と諦めて放置し、特定空家の増税ペナルティを食らったり、自身の生活費を削って仕送りを続ける必要はありません。2026年現在、成年後見制度を「本人の医療・介護を守るための防衛システム」として正しく機能させれば、裁判所は必ず味方になってくれます。
世田谷区という価値ある土地だからこそ、現金化できた時の破壊力(安心感)は凄まじいものがあります。
感情論を排し、冷徹な数字とロジカルな手続きをもって、あなたの大切な実家を一族の未来を守る「最強の盾」へと変えてください。