コラム
親が亡くなったらまずやるべき手続き5つ 〜世田谷区の相続実務から学ぶ「最初の一歩」〜
- 2025.07.07
- カテゴリ:
不動産相続コラム
「突然、親が亡くなったけれど、何をすればいいのか分からない…」
世田谷区のように高齢者人口が多く、相続に関する実務が身近な地域では、
多くの人が「最初の一歩」でつまずきがちです。
死亡後すぐに必要な公的手続きから、不動産の名義変更、相続税の申告準備まで、
初動を誤ると後々の相続トラブルや余計な出費にもつながります。
今回は、世田谷区の相続相談で実際に多く寄せられる「親が亡くなった直後にやるべき5つの手続き」を、順を追ってわかりやすく解説します。
【第1部】死亡届と火葬許可の手続き(最初の公的届出)
■ 死亡届の提出
・死亡診断書と一体型
・提出先:世田谷区役所または出張所
・提出期限:死亡から7日以内
■ 火葬許可証の取得
・死亡届を提出後、その場で発行
・火葬・納骨に必須
■ 注意点
・提出は親族・同居人・家主・後見人なども可能
・平日8:30〜17:00(時間外窓口あり)
【第2部】年金・健康保険の停止と給付金の申請
■ 年金の停止
・国民年金・厚生年金ともに「死亡届」を年金事務所へ
・世田谷年金事務所(桜新町)に持参か郵送
■ 健康保険証の返却と葬祭費の申請
・国民健康保険:世田谷区役所 国保年金課
・健康保険組合加入者:勤務先経由
・葬祭費:世田谷区から最大7万円の支給あり
■ 未支給年金の請求
・配偶者などが代わりに受け取れる制度
【第3部】金融機関への連絡と預貯金の凍結解除
■ 口座の凍結について
・死亡の事実が銀行に伝わると口座が凍結される
・凍結後は払戻し・引出しができない
■ 解除の流れ
・銀行窓口で「残高証明書」を取得
・相続人確定後、遺産分割協議書を添えて手続き
■ 世田谷区内の地銀・信金・ゆうちょ等
・みずほ銀行、三井住友、世田谷信用金庫など
・各行によって手続き書類・日数が異なるため注意
【第4部】不動産の名義変更と相続登記の準備
■ 相続登記は義務化(2024年4月〜)
・取得を知ってから3年以内に登記しないと過料対象
・対象不動産:世田谷区内の土地・建物すべて
■ 必要書類
・被相続人の除籍謄本・戸籍・住民票除票
・相続人全員の戸籍・住民票・印鑑証明
・固定資産評価証明書・遺産分割協議書など
■ 登記申請先
・東京法務局 世田谷出張所
・司法書士に依頼するのが一般的(5万〜10万円程度)
【第5部】相続税の申告・納税準備と専門家相談
■ 相続税の申告が必要かを判定
・世田谷区は不動産評価額が高いため課税対象になりやすい
・基礎控除:3,000万円+600万円×法定相続人の数
■ 申告期限と納付方法
・相続開始(死亡)から10ヶ月以内
・納税方法:現金一括/延納/物納
■ 税理士・専門家の活用
・初期の試算相談は無料のことも
・地元(世田谷区)に強い税理士を選ぶと土地評価が正確に
「まず何をするか」で相続の9割が決まる
親が亡くなった直後は、精神的にも肉体的にも大変な時期ですが、
最初の手続きを一つずつ確実にこなしていくことが、後のトラブル防止・節税対策につながります。
世田谷区のように不動産資産が大きく影響する地域では、
遅れた手続きや漏れが命取りになることも。
「何からやればいい?」と悩んだら、この記事の5つの手続きをチェックリストとして活用し、
早めに地元の専門家へ相談することをおすすめします。
一歩ずつ、冷静に。そして確実に。
それが、後悔しない相続の第一歩です。