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成城の「母80歳・実家1億円」。認知症になったら売れない!?『家族信託&公正証書遺言』で将来の施設費用と実家売却を完全保障した王道の生前対策ガイド

  • 2026.08.22
  • カテゴリ: 不動産相続コラム

今回の主人公は、都内のIT企業に勤務する長男のAさん(50代)。世田谷区成城の住宅街にある実家(敷地50坪、築35年の木造住宅・評価額1億円)で暮らす80歳の母親について、今後の生活設計を考え始めていました。

父親は10年前に他界。母親は現在、多少の物忘れはあるものの、身の回りのことは自分でこなし元気に暮らしています。
Aさんは妹(40代)と話し合い、次のような将来プランを立てていました。

「お母さんが85歳や90歳になって一人暮らしが難しくなったり、介護が必要になったら、成城の実家を売却して1億円前後の現金を作ろう。そのお金で、世田谷区内の手厚い介護付き有料老人ホーム(入居一時金数千万円)に入居させてあげれば安心だね」

非常に現実的で親思いの計画に見えます。
ところが、不動産と相続の専門窓口で相談した際、専門家から青天の霹靂となる一言を告げられたのです。

「Aさん、その計画は法律上、実行できなくなる可能性が非常に高いです。
お母様が認知症になり『意思能力(判断能力)』を失ってしまうと、不動産の売買契約を結ぶことが法律で禁じられます。
たとえ子供であっても、親の代わりに実家を売ることはできません。いざ施設に入れたくても、実家は売れず、お母様の銀行口座も凍結され、数千万円の介護費用を子供たちが自腹で立て替え続けることになりますよ」

「親の資産があるのに、親のために使えなくなる……!?」

認知症という見えないリスクの重大さに気づいたAさんは、母親が元気な今のうちに打てる確実な対策をスタートさせたのです。

なぜ「親の認知症」で実家と預金は完全フリーズするのか?

成城、祖師ヶ谷大蔵、千歳船橋、経堂といった高齢化が進む住宅街では、親が認知症になったことで実家の売却や管理ができなくなる「資産凍結トラブル」が社会問題となっています。

1-1. 「意思能力の喪失」による契約行為の無効

家を売却したり、定期預金を解約したり、リフォーム契約を結ぶ行為は、法律上の「法律行為」です。
認知症によって判断能力が不十分とみなされた場合、本人が署名・捺印してもその契約はすべて無効になります。不動産の売買には司法書士による本人の意思確認が必須であるため、認知症が進んだ時点で売却手続きは完全にストップします。

1-2. 「成年後見制度」を使っても実家は自由に売れない

「認知症になったら裁判所に成年後見人を立てればいい」と考える方が多くいます。
しかし、法定後見制度はあくまで「本人の財産を守るための制度」です。親が施設に入るからといって、後見人が自由に実家を売却できるわけではありません。家庭裁判所から「居住用不動産処分の許可」を得る必要があり、手続きに膨大な時間と費用がかかる上、売却代金の使い道も厳しく制限されます。また、一度後見人を立てると、本人が亡くなるまで毎月数万円の報酬が専門職後見人(弁護士等)へ口座から支払われ続けることになります。

王道の解決策:元気なうちに託す『家族信託&公正証書遺言スキーム』

親が元気で判断能力がしっかりしているうちに、将来の財産管理の権限を信頼できる子供へ託しておく仕組みが「家族信託(民事信託)」です。

2-1. 【家族信託の基本構造】:名義と管理権を子供へ、利益は親のまま

家族信託は、主に以下の3つの役割を設定して契約を結びます。

・委託者(財産を預ける人):母親

・受託者(財産を管理・処分する人):長男Aさん

・受益者(財産から得られる利益を受け取る人):母親

実家(土地・建物)の名義を「受託者:長男A」に移転登記します。
これにより、将来もし母親が重度の認知症になっても、長男Aさん自身の単独判断と署名捺印だけで、実家をいつでも適正価格で売却・解体・賃貸できるようになります。
実家を売却して得た代金は「受益者である母親のもの」となるため、税務上の贈与税は1円もかからず、そのまま母親の老人ホーム費用や医療費として全額使うことができます。

2-2. 【公正証書遺言の併用】:信託しなかった財産の行方を確定

家族信託で信託財産にした不動産や金銭は、信託契約の中で「母親が亡くなった後の最終的な帰属先(長男と妹で半分ずつ等)」を定めておくことができます。
さらに、信託口座に入れなかった日常の生活費口座や身の回りの動産については、念のため「公正証書遺言」を作成しておくことで、万が一の相続発生時にも遺産分割協議の手間を完全にゼロにし、スムーズな承継を実現できます。

実録!成城の実家を「家族信託」でセットアップした裏帳簿

母親の完全な理解と妹の快諾のもと、Aさんは専門チームのサポートを受けて家族信託の手続きを完了させました。

・家族会議と信託設計:母・長男・妹の3人で将来の介護方針と売却条件を合意。

・信託契約書の作成:司法書士・弁護士が法的に不備のない信託契約書案を作成。

・公証人役場での公正証書化:公証人の前で母親本人が契約内容を確認・調印。

・実家の信託登記:法務局で実家の名義を「受託者:長男A」へ変更登記。

・信託専用口座の開設:将来の修繕や管理費用のための金銭信託口座を開設。

Aさんご一家が将来の安心を100%確保するためにかかった、リアルな初期費用内訳(裏帳簿)がこちらです。

家族信託コンサルティング・契約書設計費:50万円
・家族間の合意形成、将来の売却条項を含む信託条文の設計。

公証人役場・信託公正証書作成手数料:8万円
・公証人役場での信託契約書および遺言書の公的認証費用。

司法書士による信託登記・名義変更費用:25万円
・実家(成城50坪)の名義を受託者長男へ移転する登記手続き。

登録免許税(固定資産税評価額の0.4%):20万円
・不動産を信託登記する際に法務局へ納める公的税金(土地減税適用)。

合計初期費用:103万円
・約100万円の投資で、将来の1億円資産凍結リスクを完全ゼロ化!

シミュレーション:将来の施設入所時における「スムーズな1億円実家売却」

家族信託を結んでから4年後、母親が84歳になった時の具体的な活用シミュレーションをブレイクダウンします。

1. 母親の施設入所と長男単独での実家売却

母親に軽度の認知症の症状が現れ、Aさんと妹は世田谷区内の優良な介護付き有料老人ホームへの入居を決定。

実家の売却手続き:実家の所有権は長男Aさんにあるため、母親の判断能力の有無にかかわらず、長男Aさんが単独でデベロッパーと売買契約を締結。

・実家売却価格:1億円(更地渡し)

・解体費・仲介諸経費:600万円

・信託財産への純着金額:9,400万円

裁判所の許可などを待つことなく、わずか2ヶ月でスムーズに1億円の現金化が完了しました。

2. 母親の介護費用の清算と手残り

・高級有料老人ホーム入居一時金:3,000万円

・毎月の施設利用料・医療費(10年分プール):3,600万円(月30万円×12ヶ月×10年)

・母親の手元に残る信託予備資金:2,800万円

母親は自分自身の資産で最高クラスの施設に入居でき、子供たちも1円の持ち出しもなく手厚い介護を提供することができました。
将来、母親が天寿を全うした後は、信託契約の定めに従って、残った現金を長男Aさんと妹の2人で均等に分けるだけで手続きはすべて円満に完結します。

親が元気なうちにやっておくべき「生前対策の3大鉄則」

もしあなたのご両親が70代〜80代で、実家を所有しているなら、明日からこの3つのステップを家族で話し合ってください。

5-1. Step1:「まだ元気だから大丈夫」という思い込みを捨てる

認知症はある日突然の脳梗塞や転倒などをきっかけに急速に進行することがあります。判断能力が落ちてからでは家族信託も遺言書も一切作成できなくなります。「元気なうち(会話がしっかりできるうち)」に対策することが唯一の防衛策です。

5-2. Step2:家族全員(兄弟姉妹)でオープンに話し合う

一部の子供だけで勝手に信託契約を結ぶと、他の兄弟から「財産を独り占めしようとしている」と誤解され、後々のトラブルの原因になります。親・長男・兄弟姉妹が全員揃って「親の将来の安心のため」という目的を共有することが不可欠です。

5-3. Step3:「家族信託の実務実績」が豊富な専門プロを選ぶ

一般的な不動産屋や士業の中には、家族信託の実務経験が少なく、信託条文の不備によって税務トラブルを引き起こすケースがあります。信託契約の設計から公証役場対応、信託登記、将来の不動産売却まで一気通貫でサポートできる専門コンサルタントを相棒に選んでください。
実家は、認知症になってからでは売れない。元気なうちに家族信託で「親の安心と自由な売却」を準備せよ
成城・祖師ヶ谷大蔵の美しい住宅街にある実家は、何の対策も取らないまま母親が認知症になっていれば、施設費用を作れず、実家は空き家のまま朽ち果て、子供たちが多額の介護費用を背負い込む最悪の事態になっていたはずでした。

しかし、親が元気なうちに基本通りの王道対策(家族信託と公正証書遺言の組み合わせ)を正しく完了させておくだけで、実家はいつでも親の介護資金を生み出す「最強の安心資産」へと姿を変えてくれます。

生前の対策を先延ばしにする理由は何一つありません。

「親が元気な今こそ、家族信託で実家を守り、家族全員の未来を安心で満たせ」

この確実な知恵と準備さえあれば、大切なご両親の老後をどこまでも豊かに支え、実家を最高の形で守り抜くことができるのです。
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