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用賀の「同居実家8,000万円・住み続けたい長男」。現金不足の壁を『小規模宅地等の特例&代償分割ローン』で完全クリアし、実家承継&兄弟円満を達成した王道相続ガイド

  • 2026.08.21
  • カテゴリ: 不動産相続コラム

今回の主人公は、都内の商社に勤務する長男のAさん(50代)。世田谷区用賀の住宅街にある、亡き父親と同居していた実家(敷地45坪、築30年・評価額8,000万円)の相続手続きに悩んでいました。

母親は数年前に他界しており、今回の法定相続人は長男Aさんと、他県で暮らす弟(次男)の2人です。
父親が残した遺産の内訳は以下の通りでした。

・用賀の実家(土地・建物):評価額8,000万円

・銀行預貯金:200万円

・遺産総額:8,200万円

Aさんは妻や子供とともに実家で父親の面倒を見てきたため、今後もこの家に住み続けたいと考えていました。
弟も非常に理解があり、「兄貴が親父と同居して面倒を見てくれたんだから、家は兄貴が継いでいいよ」と言ってくれています。

しかし、問題は「遺産の分け方」でした。
法定相続分通りに分けるなら、1人あたり4,100万円ずつとなります。預貯金200万円を弟が全額受け取ったとしても、不動産とのバランスを取るには、長男Aさんが自分のポケットマネーから約3,900万円の現金を弟に支払わなければなりません。

Aさんの家庭にも子供の大学進学費用などがあり、手元に4,000万円近い余剰資金はありませんでした。
「住み続けたいけれど、弟にまとまった現金を渡せないなら、結局この家を売って半分に分けるしかないのか……」
実家を手放したくない長男Aさんは、不動産と相続に詳しい専門窓口へ相談に訪れたのです。

同居実家の相続で最も多い「不動産偏重・現金不足」の罠

世田谷区をはじめとする都市部の住宅地では、遺産の大部分を「実家の土地」が占め、預貯金が極めて少ないというケースが一般的です。

1-1. 安易な「共有名義」は絶対に避ける

現金がないからといって、実家を「長男持分2分の1、次男持分2分の1」の共有名義で相続登記してしまうのは最も危険な選択です。将来、長男がリフォームや建て替えをしたいとき、あるいは次の世代(子供たち)へ相続されたときに権利が複雑化し、高確率で身内トラブルへ発展します。

1-2. 相続税の申告期限(10ヶ月)という時間制限

遺産総額が8,200万円の場合、基礎控除額(3,000万円+600万円×2人=4,200万円)を超えるため、何もしなければ兄弟それぞれに数百万円の相続税が課税されます。遺産分割が決まらないまま10ヶ月を過ぎると、特例が使えずに高額な納税義務だけが発生してしまいます。

王道の解決策:実家を守り現金を公平に渡す『代償分割&特例スキーム』

住み続けたい相続人が実家を単独で引き継ぎ、他の相続人へ現金を支払って解決する方法を「代償分割(だいしょうぶんかつ)」と呼びます。

2-1. 【特例の適用】:小規模宅地等の特例で相続税を「ゼロ」にする

亡くなった親と同居していた親族(長男Aさん)が実家の土地を相続し、申告期限まで居住・所有を継続する場合、「小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)」が適用できます。
これにより、土地の相続税評価額(最大330平米まで)が『80%減額』されます。
評価額8,000万円の土地であれば、課税対象となる評価額がわずか1,600万円まで圧縮され、基礎控除の枠内に収まるため、相続税の納税額は「0円」になります!

2-2. 【適正額の合意】:兄弟間での「代償金額」の現実的調整

実家の評価額は固定資産税評価や路線価、実勢価格など複数の見方があります。
兄弟で話し合い、「長男が長年同居して親を支えた貢献」や「将来の建物の修繕・固定資産税負担」を考慮し、弟への代償金の支払い額をキリの良い「3,000万円」(預貯金200万円と合わせて3,200万円)とすることで円満合意を形成しました。

2-3. 【資金調達】:金融機関の「代償分割ローン」の活用

手元資金が足りない長男Aさんは、大手銀行が取り扱う「相続・代償分割ローン(実家を担保にした低金利の住宅ローン型融資)」を活用しました。
毎月の返済額を無理のない範囲(月々約9万円・30年返済)に設定して3,000万円を調達。これを弟の口座へ一括送金することで、手元資金を枯渇させることなく代償金の支払いを完了させたのです。

実録!用賀の実家を「長男単独名義&次男へ3,000万送金」した裏帳簿

専門チームのサポートのもと、手続きは以下のステップでスムーズに完了しました。

・遺産分割協議書の作成:「実家は長男Aが単独取得し、その代償として長男Aが次男へ3,000万円を支払う」という代償分割条項を明記。

・小規模宅地特例を使った税務申告:税理士を通じて税務署へ申告書を提出(納税額ゼロ)。

・相続登記の完了:司法書士を通じて長男Aさんの単独所有権へ名義変更。

・代償分割ローンの実行と送金:銀行から融資を受け、次男の口座へ3,000万円を送金完了。

長男Aさんが実家を守り、兄弟円満を成立させるためにかかった諸経費の内訳(裏帳簿)がこちらです。

戸籍収集・相続人確定・協議書作成費:20万円
・連続戸籍の取得、代償分割条項付き遺産分割協議書の作成。

司法書士による相続登記・抵当権設定費用:35万円
・長男単独名義への相続登記および融資に伴う登記手続き。

小規模宅地特例適用・相続税申告税理士費:60万円
・評価額80%減額の適用申告書作成(相続税納税額は0円)。

代償分割ローン事務手数料・保証料:85万円
・3,000万円の融資実行に伴う金融機関諸経費。

合計諸経費:200万円
・わずか200万円の初期費用で、8,000万円の実家を完全死守!

収支シミュレーション:実家8,000万円承継・兄弟公平分配の算定

実家の不動産価値は8,000万円、預貯金は200万円(総額8,200万円)。
代償分割スキームを適用した結果、長男Aさんと次男が手にした最終的な資産状況をブレイクダウンします。

1. 長男Aさんが引き継いだ資産と負担

・取得した不動産:用賀の実家(評価額8,000万円・100%単独所有権)

・代償分割ローン借入額:3,000万円(月々返済約9万円)

・手続き諸経費:200万円

・相続税の納税額:0円(小規模宅地等の特例適用)

長男Aさんは、住み慣れた実家を売ることなく家族の住まいとして守り抜くことができました。

2. 次男が受け取った現金資産

・父親の預貯金からの受領分:200万円

・長男Aさんからの代償金受領分:3,000万円

・次男の獲得現金合計:3,200万円(無税)

※遺産分割協議書に基づき正当に支払われた代償金であるため、次男に「贈与税」や「所得税」が課税されることは一切ありません。

長男は実家を守り、次男は将来の教育資金や住宅ローン繰り上げ返済に使える3,200万円のクリーンな現金を確保。双方にとって100%納得のいく円満承継が完了しました。

同居実家を「代償分割」で相続する時の3大鉄則

もしあなたやご家族が、実家に住み続けながら他の兄弟と公平に遺産を分け合いたい場合は、この3つの鉄則を守ってください。

5-1. Step1:遺産分割協議書に必ず「代償分割であること」を明記する

単に「兄から弟へ3,000万円を振り込む」だけでは、税務署から「兄弟間の個人贈与」とみなされ、多額の贈与税を課税される危険があります。遺産分割協議書に「不動産取得の代償として金銭を支払う」旨を正しく記載することが必須条件です。

5-2. Step2:小規模宅地等の特例の「同居・保有要件」を崩さない

特例を使って土地の評価額を80%減額するには、「相続税の申告期限(亡くなってから10ヶ月)までその家に住み続け、所有し続けること」が原則として求められます。申告前に安易に引っ越したり名義を変えたりしないよう注意してください。

5-3. Step3:無理な金額を設定せず「代償分割ローン」の審査を事前に通す

手元資金がない場合、金融機関の代償分割ローンが利用できるか早めに事前審査を行ってください。また、兄弟間での話し合いの際も、無理な満額請求にこだわらず、お互いの生活実態に合わせた現実的な金額で合意することが円満の秘訣です。
同居実家は、諦めて売るな。小規模宅地特例と代償分割で「住まいと公平」を両立させよ
用賀・砧の落ち着いた住宅街にあった実家は、現金が足りないからといって焦って売却したり、安易な共有名義にしていれば、住まいを失うか将来のトラブルの火種を残すことになっていたはずでした。

しかし、基本通りの王道実務(小規模宅地等の特例による税金ゼロ化、適正な代償分割、専用ローンの活用)を組み合わせるだけで、住み慣れた家をしっかりと守りながら、別居する兄弟にも十分な現金を届けることができます。

「手元に現金がないから実家を諦める」必要はまったくありません。

「売るな、特例で税金を抑え、代償分割で住まいも兄弟仲も守り抜け」。
この正しい知識と手順さえ押さえておけば、大切な実家を誰ひとり不満のない最高の形で未来へ引き継ぐことができるのです。
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