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【第4回】世田谷の資産を「凍結」させない!遺言書と家族信託で築く最強の承継術

  • 2026.05.07
  • カテゴリ: 不動産相続コラム

成城、等々力、深沢……。世田谷区が誇る美しい街並みを支えているのは、そこに住む方々の「この土地を守り抜く」という強い意思です。しかし、どれほど高い資産価値を持つ邸宅であっても、所有者の「判断能力」が失われた瞬間、その不動産は法的に「凍結」されてしまいます。

「認知症になったら、自宅を売って施設代に充てればいい」

そう考えている方は要注意です。本人の判断能力が不十分とみなされると、自宅の売却、大規模なリフォーム、さらには相続税対策のための生前贈与やアパート建築も、すべてストップしてしまいます。

地価が高く、管理コストも大きい世田谷区の不動産だからこそ、「万が一」の前に仕組みを作っておくことが不可欠です。本稿では、2026年現在のスタンダードとなっている「遺言書」と「家族信託」の活用法を徹底解説します。

「遺言書」は世田谷相続の最低マナー:争いを未然に防ぐ

「うちは仲が良いから」という過信が、三軒茶屋や下北沢の入り組んだ路地にある実家を「争族の場」に変えてしまいます。

1-1. 自筆証書遺言と公正証書遺言の使い分け

現在、法務局での保管制度も普及していますが、世田谷の不動産相続において推奨されるのは、やはり「公正証書遺言」です。
世田谷区内には、世田谷公証役場(三軒茶屋)、玉川公証役場(二子玉川)があり、いずれもアクセスが良好です。公証人という法律のプロが作成に関与することで、将来の無効主張のリスクを最小限に抑えられます。

1-2. 「付言事項」で成城の誇りを語る

遺言書には、単に「誰に何を相続させるか」だけでなく、「なぜそうしたのか」という想い(付言事項)を記すことができます。
「この成城の家は、地域の景観を守るために長男に託す。その分、次男には……」という親の心からのメッセージは、法定相続分というドライな数字を超えて、子供たちの納得感を引き出します。

「家族信託」:認知症による資産凍結を防ぐ次世代の切り札

遺言書は「死後」のルールですが、家族信託は「生前(認知症発症後)」から「死後」までを一気通貫でカバーする仕組みです。

2-1. 家族信託の基本構造例えば、奥沢や尾山台にお住まいの高齢の親(委託者)が、信頼できる子(受託者)に不動産の管理権限を託す契約を結びます。

・管理・処分権限: 子に移る(認知症になっても子が自宅を売却できる)
・経済的利益: 親に残る(売却代金は親の介護費用に充てられる)

管理権(子) + 受益権(親) = 資産の安全な運用

このスキームにより、親が用賀の介護施設に入居することになっても、空き家になった実家を子がスムーズに売却・賃貸に出すことが可能になります。

2-2. 成城・等々力の邸宅維持におけるメリット

世田谷の広い家は、庭木の手入れや防犯対策など、維持だけでも手間がかかります。親が判断能力を失った後、これらを放置すると「特定空家」に指定されるリスクがありますが、家族信託を組んでおけば、子が責任を持って管理を継続できます。

2026年のトレンド:デジタル遺産と世田谷不動産の関係

最近、経堂や千歳烏山といったエリアの現役世代からも相談が増えているのが「デジタル」と「不動産」の融合です。

3-1. 権利証(登記識別情報)のデジタル管理

かつての「紙の権利証」から「登記識別情報」へと変わっていますが、これが紛失したり、どこにあるか分からなくなると、相続手続きが非常に煩雑になります。世田谷の古い家では、先代の権利証がタンスの奥に眠っていることも多いです。これらを整理し、専門家と共有しておくことが大切です。

3-2. 不動産情報のクラウド化

世田谷区は「セットバック」や「風致地区」の制限が複雑です。測量図や過去の修繕履歴などをデジタル化して家族で共有しておくことで、急な相続が発生しても、資産価値を損なわずに迅速に動くことができます。

「任意後見制度」との組み合わせ:世田谷流・二段構えの防衛

家族信託は「財産管理」には強いですが、「身上保護(入院手続きや施設契約など)」には対応できません。

4-1. 家族信託 × 任意後見

桜新町や駒沢といったエリアで、独り暮らしを続ける高齢者にとって最適なのは、家族信託と任意後見制度の併用です。

不動産・現預金の管理: 家族信託で子がスピーディーに行う。

福祉・医療の契約: 任意後見人で法的にサポートする。

この二段構えの対策(併用コンボ)こそが、世田谷の豊かな老後とスムーズな相続を両立させる「黄金律」となっています。

4-2. 後見人が介入することによる「相続対策のストップ」

もし何も対策をせず、認知症が進んで「法定後見」が開始されると、家庭裁判所が選任した弁護士などが財産を管理することになります。そうなると、世田谷の土地を使った節税対策や、孫への教育資金贈与などは「本人の利益にならない」として一切認められなくなるのが一般的です。

専門家チームの選び方:世田谷の地価を知るパートナー

世田谷区には多くの士業事務所がありますが、この「信託」と「遺言」を不動産実務と結びつけられる専門家は限られています。

5-1. コンサルティング能力のある司法書士・弁護士

単に書類を作るだけでなく、世田谷通りの再開発予定や、東急沿線の地価動向を踏まえたアドバイスができるか。例えば、太子堂や三宿の収益物件を信託する場合、収益性の維持まで見越した契約設計が必要です。

5-2. 地域の「街づくり」に寄り添う

代沢や松原、北沢といった「木造住宅密集地域」での相続は、防災や街並みの維持という視点も欠かせません。こうした地域の課題に理解があり、地元の不動産エージェントと連携できるチームを選ぶことが、失敗しないための極意です。
「意思」というバトンを繋ぐ準備を
第4回では、世田谷の不動産相続における「法的な防衛策」を解説しました。

遺言書で「誰に」を決め、家族信託で「どう管理するか」を仕組み化する。この準備があるかないかで、数年後の家族の状況は劇的に変わります。

成城の風に吹かれ、二子玉川の川面に癒され、三軒茶屋の活気に支えられて築いてきたあなたの資産。それを単なる「負動産」や「凍結資産」にしないために、親が元気な「今」こそ、家族で未来の設計図を描き始めてください。
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